中古の買い方の基本
実際に中古マンションを買うときには、どうすればいいのでしょうか。
売買の流れから広告の見方、仲介会社の選び方、物件見学でのチエックポイントまで。
中古マンションはこうして売り出される
- ライフスタイルの変化が理由なら安心
中古マンションが売り出される理由の多くは、「子どもが成長して手狭になった」「転勤することになった」「介護のため帰郷して実家で暮らすことになった」「相続による財産整理」といった、ライフスタイルの変化によるものです。
こうした理由で売りに出されたマンションなら、とくに問題視する必要はありません。多少、内装などに傷みがあったとしても、それはリフォームで解消できる問題です。
- ウラ事情があるかに注意
気をつけなくてはならないのは、隠された本当の理由がある場合です。
「同じマンション内の人とトラブルがあった」「騒音がひどい」「ローンが払いきれなくなった(修繕積立金も未払いの可能性がある)」「すぐ隣の空き地に別のマンションの建設計画が持ち上がっている」「欠陥建築だった」......こうした問題点を抱えている物件を買ってしまうと、後々、自分にもトラブルがふりかかってくる可能性が高まります。
重要な問題点(自殺があったなど)は、きちんとした仲介会社なら「重要事項説明書」で教えてくれるはずですが、すべてを把握しきれない場合もあります。グレーゾーンのマイナス情報であれば、仲介会社にも積極的にふれたくない心理が働くでしょう。
自分でも、売主や管理人、近隣住人に直接聞くなどして、問題点がないかリサーチしたいところです。
◎売主の言葉をうのみにせず、登記簿などは自分自
身の目で確認
◎修繕積立金の未払いがないか、仲介会社に確認を
依頼
◎大規模修繕の計画・進捗状況、追加費用の有無など
もチェック
◎両隣はもちろん、上下にどんな人が住んでいるか売主や住人にリサーチ
◎近隣住人や管理人に、騒音そのほかのトラブルがないかリサーチ
◎共有部分の管理状況(清掃状況、住民のマナー)を目で確認
◎マンション前に大きな空き地があれば、利用計画などを確認
◎将来の道路計画、八ザードマップ(緊急避難地図)などを役所でチェック
◎周囲の騒音や交通、治安などの状況を、時間や日を変えて確認
◎設計会社、施工業者の名前を確認
◎ひび割れ、設備の状況など時間を惜しまずチェック
◎できればプロの建築士に同行してもらい、物件の施工状況や図面を確認してもらう
購入の窓ロは仲介会社?不動産会社?
新築マンションを買う場合、直接、販売業者(売主)に購入を申し込みます。
一方、中古マンションの売主は、多くの場合はそこに住んでいた個人です。
とはいえ、個人対個人で売買交渉を行なう必要はありません。仲介会社(不動産会社)を介して、売
買交渉や購入手続きを行ないます。物件チラシの隅に「媒介」の文字がある場合はこのパターンです。
そして、売買契約が成立したあかつきには、窓口となってくれた業者に仲介手数料を払います。
- 自社物件にもメリットはあるが......
個人ではなく不動産会社が売主となっている中古マンションもあります。これらは、自身が賃貸用に所有していたり、個人から買い入れたりしたもの。こうした自社物件を売主の業者から直接購入すれば、仲介手数料は不要になります。
しかし、「仲介手数料不要」=「お買い得」とは限りません。自社物件は「売れ残り物件を不動産会社が買い叩き、自社の利益をのせて売りに出している」可能性もあります。価格と物件内容のバランスの見極めが大事です。
一方で、不動産会社が自ら売る物件なら、一定の品質は保証されていると考えることもできます。
というのも、不動産会社が自ら売る物件は、瑕疵担保に対する保証が2年以上と、
個人が売主の場合(2カ月〜6カ月が一般的)より、長めに設定されているからです。
中古マンションの購入に必要な資金はどれくらい?
- 物件価格以外にも諸費用が1割程度必要!
中古マンションを購入する場合、物件そのものの価格のほかに、さまざまな費用がかかります。
まず、不動産会社に仲介してもらった場合は、仲介手数料が「物件価格の3%+6万円(+消費税)」(法定上限)かかります。3000万円のマンションなら、約101万円かかるわけです。
さらに、ローンの手続きや火災保険、団体信用生命保険加入などの諸手続き費用で数十万円。ローンを組まなくても、登記にかかる手続き料、購入後支払う不動産取得税などにも数十万円かかります。中古マンションを購入する場合は、これらの諸費用として、物件価格の6%前後のお金が必要です。
さらに、入居時の引っ越し費用や、家具や家電、カーテンなどの新調費用も合わせると、物件価格の
7〜10%はかかると考えておきましょう。リフォームをするなら別途用意を
また、物件をリフォームする場合、それ以外にもかかってきます。リフォーム代金はもちろんのこと、リフォーム工事は契約成立後(つまりローン支払い開始後)にとりかかることになりますから、その間の仮住まいの家賃も必要です。
こうした諸費用は、住宅ローンでまとめて借りる、といったことはできません。住宅ローンはあくまでも物件そのものを担保とした融資だからです。
中古マンションを買うにあたっては、頭金のほかに、諸費用として物件価格の1割程度、プラス、リフォーム費用を用意しておきたいところです。
実際に中古マンションを買うときには、
どうすればいいのでしょうか。
売買の流れから広告の見方、仲介会社の選び方、
物件見学でのチエックポイントまで、
買い方の基本をお教えします。
- ライフスタイルの変化が理由なら安心
中古マンションが売り出される理由の多くは、「子どもが成長して手狭になった」「転勤することになった」「介護のため帰郷して実家で暮らすことになった」「相続による財産整理」といった、ライフスタイルの変化によるものです。こうした理由で売りに出されたマンションなら、とくに問題視する必要はありません。多少、内装などに傷みがあったとしても、それはリフォームで解消できる問題です。
- ウラ事情があるかに注意
気をつけなくてはならないのは、隠された本当の理由がある場合です。「同じマンション内の人とトラブルがあった」「騒音がひどい」「ローンが払いきれなくなった(修繕積立金も未払いの可能性がある)」「すぐ隣の空き地に別のマンションの建設計画が持ち上がっている」「欠陥建築だった」......こうした問題点を抱えている物件を買ってしまうと、後々、自分にもトラブルがふりかかってくる可能性が高まります。
重要な問題点(自殺があったなど)は、きちんとした仲介会社なら「重要事項説明書」で教えてくれるはずですが、すべてを把握しきれない場合もあります。グレーゾーンのマイナス情
報であれば、仲介会社にも積極的にふれたくない心
理が働くでしょう。
自分でも、売主や管理人、近隣住人に直接聞くなどして、問題点がないかリサーチしたいところです。
◎売主の言葉をうのみにせず、登記簿などは自分自身の目で確認
◎修繕積立金の未払いがないか、仲介会社に確認を依頼
◎大規模修繕の計画・進捗状況、追加費用の有無などもチェック
◎両隣はもちろん、上下にどんな人が住んでいるか売主や住人にリサーチ
◎近隣住人や管理人に、騒音そのほかのトラブルがないかリサーチ
◎共有部分の管理状況(清掃状況、住民のマナー)を目で確認
◎マンション前に大きな空き地があれば、利用計画などを確認
◎将来の道路計画、八ザードマップ(緊急避難地図)などを役所でチェック
◎周囲の騒音や交通、治安などの状況を、時間や日を変えて確認
◎設計会社、施工業者の名前を確認
◎ひび割れ、設備の状況など時間を惜しまずチェック
◎できればプロの建築士に同行してもらい、物件の施工状況や図面を確認してもらう
- 購入の窓ロは仲介会社(不動産会社)
新築マンションを買う場合、直接、販売業者(売主)に購入を申し込みます。
一方、中古マンションの売主は、多くの場合はそこに住んでいた個人です。
とはいえ、個人対個人で売買交渉を行なう必要はありません。仲介会社(不動産会社)を介して、売買交渉や購入手続きを行ないます。物件チラシの隅に「媒介」の文字がある場合はこのパターンです。
そして、売買契約が成立したあかつきには、窓口となってくれた業者に仲介手数料を払います。
- 自社物件にもメリットはあるが......
個人ではなく不動産会社が売主となっている中古マンションもあります。これらは、自身が賃貸用に所有していたり、個人から買い入れたりしたもの。
こうした自社物件を売主の業者から直接購入すれば、仲介手数料は不要になります。
しかし、「仲介手数料不要」=「お買い得」とは限りません。自社物件は「売れ残り物件を不動産会社が買い叩き、自社の利益をのせて売りに出している」可能性もあります。価格と物件内容のバランスの見極めが大事です。
一方で、不動産会社が自ら売る物件なら、一定の品質は保証されていると考えることもできます。
というのも、不動産会社が自ら売る物件は、暇疵に対する保証が2年以上と、個人が売主の場合(2カ月〜6カ月が一般的)より、長めに設定されているからです。
- 物件価格以外にも諸費用が1割程度必要!
中古マンションを購入する場合、物件そのものの価格のほかに、さまざまな費用がかかります。
まず、不動産会社に仲介してもらった場合は、仲介手数料が「物件価格の3%+6万円(+消費税)」(法定上限)かかります。3000万円のマンションなら、約101万円かかるわけです。
さらに、ローンの手続きや火災保険、団体信用生命保険加入などの諸手続き費用で数十万円。ローンを組まなくても、登記にかかる手続き料、購入後支払う不動産取得税などにも数十万円かかります。中古マンションを購入する場合は、これらの諸費用として、物件価格の6%前後のお金が必要です。
さらに、入居時の引っ越し費用や、家具や家電、カーテンなどの新調費用も合わせると、物件価格の7〜10%はかかると考えておきましょう。
- リフォームをするなら別途用意を
また、物件をリフォームする場合、それ以外にもかかってきます。リフォーム代金はもちろんのこと、リフォーム工事は契約成立後(つまりローン支払い開始後)にとりかかることになりますから、その間の仮住まいの家賃も必要です。
こうした諸費用は、住宅ローンでまとめて借りる、といったことはできません。住宅ローンはあくまでも物件そのものを担保とした融資だからです。
中古マンションを買うにあたっては、頭金のほかに、諸費用として物件価格の1割程度、プラス、リフォーム費用を用意しておきたいところです。
- ネットや情報誌でエリアを絞る
中古マンション探しの第一段階としておすすめなのは、住宅情報誌や仲介会社(不動産会社)のホームページを調べてみることです。物件情報が豊富に載っているので、エリアごとの相場を知るのに最適です。とくに遠隔地の物件の購入を希望する場合は、インターネットが便利です。
また、特定のマンションデベロッパーが販売した物件を希望する場合は、その会社もしくはその関連会社で、自社の中古物件を紹介していることもあり
ます。デベロッパー名で検索してみましょう。すでに購入を希望する地域に住んでいるのなら、新聞の折り込みチラシも有力な情報源。近隣の中古物件情報が豊富に出ているはずです。
- エリアを絞って仲介会社に問い合わせを
ただし、インターネットや情報誌にも弱い面があります。その一つは、本当によい条件の物件は情報が公開される前に、直接仲介会社を訪れている顧客に紹介されてしまうことです。インターネットなどへの情報のアップはふつう毎日行なわれているわけではないため、どうしてもタイムラグがあります。公開されたころには、すでに買い手がついてしまっていることはめずらしくありません。
本当によい物件を見つけたいのなら、希望エリアで営業している仲介会社に問い合わせるのがいちばんです。希望する地域の物件情報が豊富ですし、学区や土地計画といった現地情報に詳しいという強みもあります。ぜひ相談してみましょう。
- 「有名」=「よい業者」とは限らない
希望エリアで仲介会社を探すといっても、数も多く、どこに相談するか迷う人も多いことでしょう。
ある程度、広いエリアで中古マンションを探したい場合は、広域でチェーン展開している大手のほうが何かと便利です。一方、「この駅周辺で!」と範囲が絞り込めているならば、地元密着型の中小規模の仲介会社のほうが豊富に物件情報をもっていることも少なくありません。「大手がベスト」という先入観は捨てましょう。
規模を問わず、中には、強引な営業手法でトラブルを起こしているところもあります。一定の水準をクリアしているかどうかは、左図のように免許番号や業者名簿の閲覧で確認できます。
- 専門知識をもった担当者が心強い
物件探しを申し込むと、現地案内や諸手続きをしてくれる担当者がつきます。この担当者のよしあしが、物件選びの運命を左右します。
とくに中古マンション選びでは、担当者の専門知識や交渉能力が重要なポイント。たとえば、施工や管理のよしあしを見抜く「建築」の知識。よりよい条件で融資を成功させる「金融機関」や「住宅ローン商品」の知識。このほか、売主側と上手に条件を調整してくれる「交渉力」も必要です。
とにかく売ってしまえと客をあおるのではなく、物件のメリット・デメリットをきちんと説明できる誠実さも必要。こうした知識や資質の有無を見極め、よい担当者のいる仲介会社と付き合いましょう。
- 業者団体に加盟しているか?
業者団体では、新規加入業者の資格審査や研修会、苫情処理の相談業務などを行なっている。そのため、業界団体に加盟しているかもひとつの判断基準になる。加盟している場合、広告や看板の不動産会社名の近くに加盟団体を記載している。
- 担当者は信頼できるか?
◎「建設」「住宅ローン」の知識は?
◎「物件のデメリット」も誠実に詣してくれるか?
◎売主との「交渉力」はありそうか?
◎契約を急がせないか?
◎質問に対して的外れな答えが多くないか?
- 細かい文字ほど読み込むのが鉄則!
新築・中古にかかわらず、物件探しは不動産広告から始まります。広告を見るときは、「いかにマイナス面を見つけるか」がポイント。広告はプラス面を大きく前面に打ち出してくるものです。だからこ
そ、売り手が小さな文字で書いた部分を読み込むことが大切になってきます。
たとえば、中古マンションの広告で見かける、「建て替え不可」「既存不適格」という小さな文字。
これは、現在の建築基準に合わなくなっているため将来の建て替えは難しいことを意味しています。一概に「建て替え不可だからダメな物件」とはいえませんが、知らないのと知っているのとでは大違いです。
また、プラス面だけに注目していると、いざ物件を見学しても、マイナス面に目が向かないことがあります。大切なのは、それが「許容範囲か」「修繕可能か」をチェックし、的確な購入判断をすることです。そのためにも、事前にマイナス面を知っておくことが必要なのです。
- オトリ広告に注意!
不動産広告は、その物件を扱う不動産会社の姿勢や信頼度を測るモノサシでもあります。
良心的な不動産会社の広告は具体的な情報が多く、物件ごとの情報に差が少ないもの。反対に、価格が相場より極端に安い「オトリ広告」で客をおびき寄せ、「その物件は売れてしまいましたが、別のいい物件がありますよ」と言葉巧みにすり寄ってくる不動産会社とは、付き合わないほうが無難です。
- 身につけておきたい「構造」の知識
耐震強度偽装問題が世間を騒がせましたが、当然、中古マンションにも起こり得ることです。危ない物件を見抜くためにも、マンション構造について、最低限の知識は身につけておきたいところです。
広告などの物件概要の部分をよく見ると、そのマンションがどんな構造で建てられたかが記されています。「構造」の項目に、「RC」「WRC」「SRC」のいずれかの表示がなされています。つまり、マンション構造には、大きく3タイプあります。
- 3つの構造タイプの違い
RCは、鉄筋コンクリート造のことです。文字どおり鉄筋とコンクリートで建てられたもので、一般に広告では、建物を柱や梁で支えるラーメン構造を採用した場合に表記されます。ラーメンとはドイツ語で「骨組み」の意味で、遮音性や耐震性などに優れている半面、柱や梁が出っ張るため部屋はやや狭くなります。WRCは、同じく鉄筋コンクリート造でも、壁式構造とよばれるものです。柱や梁を使わずに床や壁で建物を支えるタイプのものです。柱や梁を使わないため部屋を広く取れ、コストも安価。
一方で、耐震性などを確保するためにある程度の壁量が必要となることから、窓やドアなどの開口部の取り方が限定されやすく、リフォーム時に間取り変更しにくいというデメリットもあります。
SRCは、鉄筋コンクリートではなく、鉄骨鉄筋コンクリートを使ったラーメン構造です。RCより丈夫ですが、コストは高くなります。
- 「適正階数」と「限界階数」は違う
前項で説明した「構造」は、必ず「RC/6階」というように階数も併記されています。マンションには、その構造によって、安全を保証できる「適正階数」があるためです。
つまり、これを見れば、最低限「その階数にふさわしい構...造をもった建物なのか」を知ることができるのです。
左表のように各構造の適正階数は、RC造が「2〜8階建ての中高層マンション」、WRC造が「3階建て以下の低中層マンション」、SRC造が「8階建て以上の高層マンション」となっています。この分類を見ると、8階建て以上のマンションは、SRC造になっていることがわかります。
- RC造/8階建て以上」の表記に注意!
しかし、実際には8階建て以上の物件でも、「RC造」と表記されているマンションがあります。「適正階数」ではなく、理論上建築可能な「限界階数」で建ててしまうマンションがあるためです。
気をつけなければならないのは、8〜12階建てのマンションはRC造とSRC造どちらの構造でも建築可能とされていることです。
安全のためにはSRC造にすべきなのですが、コスト高になるため、RC造で建ててしまうケースが出てくるのです。
広告で「RC造/8階建て以上」のような表示を見かけたら、「構造的に余裕のない建物11危険」と考え、近寄らないのが賢明でしょう。
複数の物件を見学して比較検討を
中古マンションでは、築年数や間取り以外にも、検討すべき項目はたくさんあります。施工や管理のよしあし、同じ棟に住む住民のマナー、内装の状況などなど。いずれも、入居後の住み心地を大きく左右する条件です。
これらの情報は、物件チラシや周辺地図だけで得ることはできません。やはり、物件に直接足を運び、自分の目で確認することが大事です。
気をつけたいのは、「1軒目、1日目で決めようとしない」こと。最低でも3軒くらい回らないと、判断基準がわからないものです。
複数の物件を見学することで、先ほど挙げたような検討項目についても、「このポイントは譲れない!」といった自分なりのこだわりが明らかになってくることでしょう。
- 信頼関係を築くことがよい物件への近道
見学にあたっては、同行する不動産会社の担当者や現場で立ち会う売主と信頼関係を築くことが大事です。担当者には、前もって自分の希望や状況を正確に伝えておくことで、より適切な物件を紹介してもらえます。
物件を売る・売らないの最終的な決定権は、売主にあります。そのことを念頭においてマナーを守りつつ、物件へのこだわりや問題点を上手に聞き出すようにしましょう。売りに出した背景などを上手に聞き出せれば、値引き交渉の材料になる場合もあります。
- 自分の目で確認したい6つのポイント
マンションを選ぶときのチェックポイントは、新築と中古では大きく変わってきます。新築では「モデルルーム」しか見ることができませんが、中古では「実際に自分が住む建物・部屋」を購入前に自らの目で確認できるという強みがあります。問題点が見つかっても、「安全性などの点で許容範囲なのか」「リフォームで解決できるのか」といったことを事前に検討できるため、物件の長所も短所も納得したうえで購入に踏み切ることができるのです。
中古マンションならではのチェックポイントとして、次の6つが挙げられます。
①安全性/耐震性や構造はどうか。
②耐久性/どの程度の傷みだったら許容範囲か。
③居住性/防音性や窓の大きさはどうか。
④リフォーム性/リフォームの自由度はどうか。
⑤管理/大規模修繕計画、管理費などは適正か。
⑥将来性/周辺環境が変化する可能性はあるか。
- 床のきしみ」=「ダメな物件」とは限らない
たとえば「耐久性」。中古マンションを見学していて床のきしみがあると、「構造にガタがきているかも」と不安になるものです。しかし、きしみだけでダメな物件と考えるのは早トチリというもの。マンションの床のきしみの原因は、単にフローリングを張るときの不注意であることが多いので、大半はリフォームで簡単に解決できるのです。
詳しくは第3章で説明していきますが、「中古マンションならでは」のポイントをしっかりつかみ、悔いのない物件選びをしてください。
- 設備は最低限のものがあれば合格
瀟洒な外観に豪華な共有施設、最新式のシステムキッチンに、オール電化......新築マンションの設備とくらべると、中古マンションはたしかに見劣りします。しかし、それらは毎日暮らしていくうえで、本当に必要なものでしょうか。
たとえば、最近の新築マンションでは当たり前になりつつある床暖房。電気式とガス温水式がありますが、ガス温水式の場合、温まるまでにー〜2時間は必要です。つけっぱなしにしておけばガス料金もばかにならず、使わなくなる人がかなりいます。
浴室乾燥機などにしても、カビなどの繁殖をおさえるうえでは有効ですが、本来の乾かすという面では時間がかかり、一般の乾燥機にはかないません。
また、大型プロジェクターが設置されたシアタールームなどを備えているマンションもありますが、大画面で観賞したいがために、わざわざ足を運ぶ人は少数です。自宅でビデオ観賞する人のほうが圧倒的で、まず利用されることはないのが現実です。
- 自分が生活する場をイメージして
結局のところ、どんな最新施設や設備でも、使わなければ意味がありません。
無駄な共有施設は管理費を高くするだけです。設備も、リフォームでほとんどのものは追加できます。
しかも、最新の設備となるわけですから、購入時に古い設備を気にする必要はありません。
「新築」「中古」という視点ではなく、自分にとって本当に必要なものは何かを見極めたいものです。
- コスト削減のため部材を減らして手抜き
手抜き物件には、2つのタイプがあります。一つは、マンション価格を下げるため「お金のかかるところを手抜きする」タイプです。
マンションの構造は、柱と壁が命です。逆にいうと、お金がもっともかかるのもこの部分。
コストを削減するときには、お金がかかっているところから手をつけるのが世の常です。その結果、細い鉄筋を使ったり、鉄筋の本数そのものを少なくしたりというマンションができ上がることになります。
- 納期に間に合わせるため面倒な部分を手抜き
もう一つは、「時間・手間のかかるところを手抜きする」タイプです。納期に間に合わせるために手抜きするケースです。たとえば、窓周辺のコンクリートや壁にひび割れの目立つマンションを見たことはありませんか?大きな窓は壁に大きな開口部ができるぶん、強度を下げます。本来、窓枠などには補強材を入れて強化しなければならないのですが、こうした細かい部分は後回しにされがちです。そして、結局は納期に間に合わずに補強されないまま引き渡される、ということが起こります。
またコンクリートを水で薄めるのも代表的な手口です。これもコンクリート代をケチっているわけではなく、薄めたほうがコンクリートがサラサラになるため作業を行ないやすいからです。手抜きの仕方には、その時々で流行があります。
中古の場合、建設当時の世相などもあわせて確認することも大切になってくるでしょう。
- 「設計図書」で問題構造がわかる!
前項で解説したような「手抜き物件」を見抜くには、窓に補強材が使われているか、壁の厚さや鉄筋量は適正かを調べなければなりません。
それには、「設計図書」を見て、建物の構造を調べる必要があります。「設計図書」とは、マンションの設計図のこと。「仕様書」「設計図」「構造計算書」の3部構成ですが、壁の厚さや骨組みを知るには、「設計図」の中の「構造図」を見るだけでOK。
ちなみに、工事はこの設計図書を見ながら行なわれ、建物完成後は「竣工図書」と呼び名が変わります。
新築マンションの場合はモデルルームに置かれていますが、中古ではマンション所有者の管理組合から選出された理事長、もしくは管理会社が持っていることが多いようです。面倒がら仲介会社に頼んで取り寄せてもらいましょう。
- 修繕履歴・予定のチェックも必要
組合の理事長が保存している「修繕履歴表」も忘れずに確認しましょう。ポイントは、「修繕回数」ではなく「適正な時期に的確な補修を行なっているか」を見極めること。
修繕回数が多いと「欠陥が多いのでは?」と心配になる人もいるかもしれませんが、小さな傷みをマメに補修しているほうが長持ちします。管理会社のメンテナンスに対する姿勢もチェックできます。
なお、今後の修繕予定も確認しておきましょう。
外壁など気になるところがあっても、近々補修の予定があるならば、問題視する必要はなくなります。
■「設計(竣工)図書」と「修繕履歴表」
◎マンションを建てたときの図面のこと。建設前は「設計図書」と呼ばれ、建設後、施工時の変更点を明記した形で「竣工図書」に名前が変わる
◎2001年8月1日以降に建設されたマンションについては、事業主は設計図書を必ず管理組合に交付しなければならないことになっている。
◎何百ページにもなる分厚い図面集だが、大きく意匠図面系、構造図面系、電気図面系、設備図面系の4つに分かれる。